ファクタリングの手数料は1%〜30%と幅広く、サービスの種類やリスクによって変動します。
ファクタリングは、企業や自営業者、個人事業主、さらにはフリーランスにとって、資金繰りの悩みを解消するための効果的な資金調達手段として利用されています。特に、つなぎ資金として短期の運転資金が必要な場合にファクタリングが多く利用される傾向があり、(金融庁「事業者の事業資金の借入れ状況」)民法(債権法)改正により資金調達を行いやすい環境が整備され、ファクタリング契約の利用がさらにしやすくなりました。(法務省「民法(債権関係)の改正に関する中間的な論点整理の補足説明」)
本記事では、ファクタリングの手数料に関して「手数料の相場と実例」、「手数料が決まる要素」、「手数料・費用を安く方法」について解説していきます。
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おすすめの手数料が安いファクタリング会社
QuQuMo online
手数料1%~14.8% 口コミ人気1位のファクタリングサービス。 | |
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手数料1.5〜10% 最短即日のスピード感と上限なしで買取が魅力なファクタリングサービス。 |
執筆者
メディア×コンサルを強みとするクリエイティブコンサルティング企業。転職・フリーランスのキャリア総合メディア「フリーダッシュ(freedash)」を運営。他事業として、フリーランス検索プラットフォーム「コンサルフリー」、コンサル業界特化型メディア「コンサルフリーマガジン」なども展開。
ファクタリングの手数料とは
ファクタリングの手数料とは、売掛金を早期に現金化するためのサービスで、債権を買い取る企業に支払う費用です。
手数料が低いほど事業者にとって得になりますが、平均的な相場は1%~30%と幅広いです。以下は、売掛債権額別における手数料額の一覧です。
売掛債権額 | 手数料1% | 手数料5% | 手数料10% | 手数料15% |
---|---|---|---|---|
60万円の場合 | 6,000円 | 3万円 | 6万円 | 9万円 |
100万円の場合 | 1万円 | 5万円 | 10万円 | 15万円 |
300万円の場合 | 3万円 | 15万円 | 30万円 | 45万円 |
600万円の場合 | 6万円 | 30万円 | 60万円 | 90万円 |
▼ファクタリングとは
ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権をファクタリング会社に期日前に売却することで早期の現金化ができる、中小企業法人や個人事業主の資金調達の一手段です。
中小企業法人や個人事業主にとって、売掛金の支払いを待たずに必要な資金を手にできるため、資金繰りの改善や経営の安定化に大きく貢献します。
東京産業労働局がファクタリングに関するセミナーを開催するなど、幅広い層での理解が進んでおり、今後も需要が期待されています。(東京都産業労働局「ファクタリングについての取り組み」)
ファクタリングの手数料の相場はいくら?
ファクタリングの手数料相場はサービスの種類やリスクによって異なり一般的には2社間ファクタリングで10%〜30%、3社間ファクタリングで1%〜5%が相場とされています。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いは、「仕組み」「売掛先への通知有無」「手数料」「現金化の早さ(スピード)」「審査通過率」「必要書類」「債権譲渡登記有無」「償還請求権有無」で異なり、それぞれメリット・デメリットがあります。
2社間ファクタリングの手数料相場は10%~30%
2社間ファクタリングの手数料の相場は10%~30%が一般的です。
2社間(二社間)ファクタリングとは、「利用者(ファクタリングサービスを利用する会社または個人事業主」と「ファクタリング会社」のみで取引を行う仕組みになります。
メリット | 取引先(売掛先)への通知が不要・バレない 申し込みから現金化の手続きが早い |
デメリット | 手数料が3社間ファクタリングより高い 債権譲渡登記が必要 |
上表のように、2社間ファクタリングは取引先にファクタリングサービス利用の通知や承諾がいらない事から、売掛先にファクタリング利用がバレたくない個人事業主の自営業やフリーランスの方が多く利用されています。
3社間ファクタリングの手数料相場は1%~5%
3社間ファクタリングの手数料相場は1%~5%が一般的です。
3社間(三社間)ファクタリングとは、「利用者(ファクタリングサービスを利用する会社または個人事業主」「ファクタリング会社」「取引先(売掛先)」の3社で取引を行う仕組みになります。
2社間との大きな違いは、取引先(売掛先)に通知・承諾を得る必要がある点です。
メリット | 手数料が2社間ファクタリングより安い 取引の透明性がある |
デメリット | 申し込みから現金化の手続きが遅い 売掛先に通知され承認が必要(バレる) |
3社間ファクタリングの場合は債権譲渡通知書を取引先(売掛先)の企業に通知する事で、取引の透明性を担保します。
ファクタリングの手数料の実例【会社別の手数料一覧比較表】
実際のファクタリング会社が提供するサービスの手数料を一覧形式で比較してみましょう。
調査した結果は下記になります。
ファクタリング業者 | 手数料 |
---|---|
QuQuMo online | 1%~14.8% |
ペイトナーファクタリング(yup先払い) | 10%(固定) |
ビートレーディング | 2%~12% |
ベストファクター | 2%~ |
日本中小企業金融サポート機構 | 1.5%~10% |
前述したように、ファクタリング契約において2社間・3社間のどちらを選ぶかにより手数料は大きく変わるため、業者に無料見積依頼をして確認するようにしましょう。
▼ファクタリングは複数社の相見積もりがおすすめ!
ファクタリングは複数社の相見積もりをすることをおすすめします。
複数社に相見積もりすることはファクタリング相場がわかり手数料の低減に繋がります。本記事を通じて、自分に合うファクタリング業者を目安2~3社に無料見積相談してみましょう!
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ファクタリングの手数料が決まる要因
ファクタリングの手数料が決まる要素には下記があります。
- 2社間・3社間のファクタリングの種類
- 売掛先(取引先)の信用度
- 売掛債権金額
- ファクタリング会社との関係性
2社間・3社間のファクタリングの種類
まず手数料を決める要素は2社間・3社間のファクリングの種類があります。
一般的には3社間ファクタリングの手数料の方が2社間ファクタリングと比べ安くなる傾向にあります。
理由としては、2社間ファクタリングが取引先に通知を不要としている一方で、3社間は売掛先に通知されファクタリング会社へ直接売掛金が支払われるため、未回収のリスクが低くなるからです。
売掛先(取引先)の信用度
手数料が決まる用途に売掛先(取引先)の信用度があります。
一般的には売掛先の信用度が高ければ高いほど手数料は安くなり、倒産リスクなどのある信用度の低いところはファクタリング会社が売掛債権の未回収リスクが高くなり、結果として手数料は高めに設定されてしまいます。
売掛債権金額
売掛債権の金額によっても手数料を決定づける要素になります。
下記は、人気のファクタリング会社の買取可能金額の下限・上限の一覧表です。
買取可能額はファクタリング会社により異なりますが、ファクタリング会社にとっては売掛債権が大きいほど手数料の取り分が大きくなるため、魅力的な案件と捉えます。
従って、見積もり時の売掛債権の対象金額が大きいほど手数料をディスカウントしてくる業者も中にはいます。
ファクタリング会社との関係性
ファクタリング会社の利用頻度や関係性などにより手数料が変わる事もあります。
原則は、前述した「ファクタリングの種類」「売掛先の信用度」「売掛債権の金額」により手数料は決定づけられますが、場合のよっては何度も同じファクタリング会社を利用することで手数料を安くしてくれるなど交渉もできるでしょう。
ファクタリング会社としては、リピート率の高い継続顧客を大切にするため、他社利用に乗り換えされない施策として手数料を調整する業者はあります。
ファクタリングの手数料や費用を安くする方法
ファクタリングの手数料をどれだけ抑えることができるか?は最終的にキャッシュフローを改善するための大切な検討項目になります。結論、下記の方法を取るとファクタリングの手数料を安くすることができます。
1.複数社に相見積もりをする
ファクタリング手数料を安くするためには、複数のファクタリング会社に相見積もりを依頼することが効果的です。
同じ売掛金を異なる会社に提示し、競争を促すことで手数料を下げることができます。
一方で、複数社に相見積もりを申込む場合の注意点として、正式契約後は絶対に複数契約しない事です。
契約後の他社乗り換え時には契約している業者への確認と契約書が必要となり、二重譲渡に注意が必要になります。
2.3社間ファクタリングを利用する
手数料を抑える方法として、3社間ファクタリングを利用するのも有効です。
売掛先の承認を得て取引を行うことで、リスクが低下し、手数料が1%〜5%と抑えられます。例えば、通常10%の手数料がかかるケースでも、3社間ならば半分以下に抑えられることがあります。
3.取引先の信用力を明示する
取引先の信用力により手数料は下がる場合が多いです。
返済能力が高くお金の面で信用度が高い企業の方がファクタリング業者側もリスクを負う事がありません。そのため、取引先の信用力を示すことのできる根拠として、取引実績や会社の基本情報がわかる資料などあることが望ましいです。
取引先の信用力をファクタリング会社に明示することで、手数料を下げる交渉が可能です。信用力の高い売掛先であれば、回収リスクが低いため、ファクタリング会社側も低い手数料で取引を行いやすくなります。
4.支払い期日までの日数を短くする
支払い期日までの日数が短いと、ファクタリング手数料を安くできる場合があります。
ファクタリング会社は、売掛金回収までのリスクやコストを考慮して手数料を設定するため、回収までの期間が短いほどリスクが低くなり、手数料が抑えられる傾向にあります。
資金繰りが許す範囲で支払い期日を短く設定することが有効なコスト削減手段です。
5.一度利用したことのあるファクタリング会社を使う
一度取引経験のあるファクタリング会社を再度利用することで、手数料を抑えられる場合があります。
過去に取引実績があり、架空債権の譲渡や二重譲渡といった契約違反もなく債権回収ができた実績があれば、ファクタリング会社側にとってもリスクが低いと判断されやすく、手数料を優遇してもらえる可能性があります。
6.キャンペーン特典を利用する
ファクタリング会社が提供するサービスでは不定期にキャンペーンを実施している場合があります。
多くのファクタリング会社では、期間限定のキャンペーンを実施しており、初回契約時の手数料割引が受けられることがあります。
例示として、特定の期間中に契約すると通常より5%〜10%安くなるキャンペーンがあります。定期的な情報収集を行い、タイミングよく契約することで、コスト削減に繋げることが可能です。
手数料の安いおすすめファクタリング会社3選
当サイトで行う「ファクタリングおすすめ比較ランキング」で、手数料が安くおすすめファクタリング会社3選を紹介します。
1. 日本中小企業金融サポート機構
公式サイト | 日本中小企業金融サポート機構 |
運営会社 | 一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構 |
利用対象 | 法人、個人事業主、フリーランス ※売掛金がある事 |
対象業界 | 業界は問わない |
取引種類 | 3社間ファクタリングに対応 2社間ファクタリングに対応 |
入金スピード | 最短即日(最短30分で審査完了) |
買取金額 | 非公開 |
手数料 | 1.5%~10% |
契約方法 | 完全オンライン完結 |
償還請求権 | 償還請求権なし(ノンリコース)※内容による |
債権譲渡登記 | 内容による |
審査基準 | 書類審査を元に行われる。 審査通過率95% |
必要書類 | ・申込書 ・通称のコピー(3カ月分) ・請求書・契約書 ・身分証明書 |
営業時間 | 調査中 |
2024年12月の最新情報を元に作成
日本中小企業金融サポート機構 は一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構が提供する法人・個人事業主向けファクタリングサービスです。一般社団法人による運用のため、良心的な手数料1.5%を実現しています。
他社にない特徴として、経営革新等支援機関認定の補助金申請が可能であるため、ファクタリングだけでない総合的な資金繰りのサポートを求める個人事業主・フリーランスに特におすすめです。
- 審査結果最短30分、即日振込が可能
- 非営利団体だからこその1.5%の低手数料
- 2社間と3社間ファクタリングの両方に対応
- 経営革新等支援機関認定の補助金申請が可能
知り合いの経営者の方に教えてもらった業者さん。 取引先に知られずに資金調達ができるのはありがたいです。 まだ資金繰りが不安定なので、困ったときは利用させてもらいます。(引用:Google Map 口コミ)
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2. QuQuMo online(ククモオンライン)
公式サイト | QuQuMo online |
運営会社 | 株式会社アクティブサポート |
利用対象 | 法人、個人事業主、フリーランス ※売掛金がある事 |
対象業界 | 業界は問わない |
取引種類 | 2社間ファクタリングに対応 3社間ファクタリングに非対応 |
入金スピード | 最短即日(最短2時間) |
買取金額 | 下限・上限なし ※累計取扱高900億円以上 |
手数料 | 1%~14.8% |
契約方法 | 完全オンライン完結 |
償還請求権 | 償還請求権なし(ノンリコース)※内容による |
債権譲渡登記 | 内容による |
審査基準 | 書類審査を元に行われる。 審査通過率は非公開 |
必要書類 | ・本人確認書類(身分証・運転免許証) ・買取対象の請求書 ・通帳のコピー |
営業時間 | 調査中 |
2024年12月の最新情報を元に作成
QuQuMo online (ククモオンライン)は株式会社アクティブサポートが提供する法人・個人事業主向け即日ファクタリングサービスです。「リピート率1位」「サービス乗換実績1位」「口コミ人気1位」と業界トップを牽引する圧倒的な実績を誇る人気サービスです。
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3. PMG
公式サイト | PMG |
運営会社 | ピーエムジー株式会社 |
利用対象 | 法人、個人事業主 ※売掛金がある事 |
対象業界 | 業界は問わない |
取引種類 | 2社間ファクタリングに対応 3社間ファクタリングに非対応 |
入金スピード | 最短即日(最短2時間) |
買取金額 | 下限なし・上限なし |
手数料 | 2%~12.8% |
契約方法 | 完全オンライン完結 |
償還請求権 | 償還請求権なし(ノンリコース) |
債権譲渡登記 | 内容による |
審査基準 | 書類審査を元に行われる。 審査通過率は非公開 |
必要書類 | ・本人確認書類(身分証・運転免許証) ・買取対象の請求書 ・通帳のコピー |
営業時間 | 8:00~20:00 ※土日祝日も審査に対応 |
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PMG はピーエムジー株式会社が提供する法人・個人事業主向けファクタリングサービスです。
最短2時間で資金調達でき、買取率も業界最高水準の2%を誇る人気のサービスです。
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ファクタリングにかかる手数料の内訳
ファクタリングにかかる手数料は、単なる取引手数料に留まりません。事務手数料や審査手数料など、複数の費用が発生するため、合計コストを把握しておくことが重要です。
1.ファクタリング手数料
ファクタリング手数料は、売掛金の現金化に対して発生する基本的な費用です。手数料の割合は取引の条件によって異なるため、事前に確認することが重要です
2.事務手数料
事務手数料は、契約手続きや管理事務にかかる費用として徴収されることもあります。通常、数千円から数万円程度が相場ですが、ファクタリング会社によって異なります。
3.審査手数料
審査手数料は、売掛金の与信調査やリスク判定に要する費用です。通常、数千円から数万円程度で設定されていますが、与信リスクが低い場合は割引されることもあります。
4.債権譲渡登記費用
債権譲渡登記費用は、2社間ファクタリングを利用する場合に債権譲渡登記が必要となる場合があります。
債権をファクタリング会社に譲渡する際に発生する費用で、登記免許税として7,500円ほどかかり、司法書士へ依頼する場合は別途5万円〜10万円ほど費用が発生します。
制度の趣旨
・ 債権譲渡登記制度は、法人がする金銭債権の譲渡について、債務者以外の第三者に対する対抗要件を備えるための制度です。
引用:法務省「債権譲渡登記制度の概要」
・ 債権譲渡登記制度は、債権流動化をはじめとする法人資金調達手段の多様化を背景に、債権譲渡の対抗要件具備方法等に関する民法の特例として、「債権譲渡登記」という簡便な対抗要件具備の方法の仕組みを創設するものであり、平成10年10月から運用が開始されました。
債権譲渡登記することができる債権の譲渡人は法人のみに限定されているため、個人事業主は債権譲渡登記を必須としているファクタリング会社とは契約ができないので注意しましょう。
5.印紙代
印紙代は、ファクタリング会社と債権譲渡契約を締結する際に発生します。
印紙代は、売掛債権の額によって変動しており、契約金額が1万円未満の場合は非課税、1万円以上は200円かかります。(国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」)。
売掛債権の額 | 費用 |
---|---|
1万円未満 | 非課税(0円) |
1万円以上 | 200円 |
オンラインファクタリンング契約ができる会社の場合は印紙代が不要となります。
6.出張費用
出張費用は取引先訪問や面談の際に発生する可能性があり交通費や宿泊費が加算されるため、数万円規模のコストに達することもあります。
そのため、出張の必要性や費用の具体的な見積もりについて事前に確認することが重要です。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングを利用するメリットには下記があります。
1. 借入をせずに資金繰りの改善ができる
ファクタリングの最大のメリットは、借入を伴わずに資金繰りを改善できる点です。
一般的な融資と異なり、金利負担がなく、企業のバランスシートに影響を与えません。このような特性は、資金繰りのスピードを求める事業者にとって、柔軟な選択肢を提供します。
2. 売掛債権(売掛金)を早期に現金化できる
ファクタリングを利用する事で事業主の売掛債権を入金期日より前に現金化できます。
通常、支払いサイトが長い場合、資金が滞留しやすくなりますが、ファクタリングによって迅速に資金を確保できます。
例えば、60日後の売掛金を即日で現金化すれば、製品の再投資や設備投資に積極的に活用することが可能です。
こうした早期現金化の効果が、経営活動全体にプラスの影響を与えます。
3. 信用情報の影響が少なく審査に通りやすい
ファクタリングは、主に売掛先の信用を基準に審査が行われるため、利用者自身の信用情報への影響が少なく、審査にも通りやすい傾向があります。
例えば、過去に銀行融資が難しかった中小企業が、売掛先の信用度を活かしファクタリングで資金調達を実現するケースがあります。
これにより、信用力が低い企業も利用しやすい柔軟な資金調達方法となります。
ファクタリングを利用するデメリット・注意点
ファクタリングを利用するデメリットには下記があります。
1. 手数料が発生する
ファクタリング利用には必ず手数料が発生します。
一般的に手数料は売掛金額の1%~10%程度ですが、手数料率が高いと実際に得られる資金が少なくなります。例えば、500万円の売掛金を5%の手数料で現金化した場合、25万円のコストが発生します。
手数料の確認は、利用のメリットとデメリットを比較し、慎重な判断を行う必要があります。
2. 取引先の信用に影響が出る場合もある
3社間ファクタリングの場合、取引先にファクタリング利用が通知されます。これにより、取引先の信用に影響を与える可能性があります。
例えば、取引先が「資金繰りに苦しんでいるのではないか」と疑念を抱く場合もあります。信頼関係の構築が必要であり、利用前には取引先との理解を深めるコミュニケーションが不可欠です。
取引先にばれずにファクタリングを使用したい場合は、2社間ファクタリングを選択しましょう。
3. 債務不履行のリスクがある
ファクタリング契約では、売掛先の倒産や未払いリスクも考慮する必要があります。特に、売掛先が支払不能に陥った場合、契約形態によってはリスクを負うことがあります。
このリスクを軽減するためには、売掛先の信用力を事前に確認することが重要です。
債務不履行とは、約束や契約に基づいて果たすべき義務を守れないことを指します。例えば、お金を期限までに支払わない、商品やサービスを提供しないなどが該当します。
【やばい】違法なヤミ金業社に注意!
違法なヤミ金業者によるファクタリングの手口は、非常に危険です。
金融庁が公開する「ファクタリングに関する注意喚起」では、ファクタリング利用に伴い下記のような注意を警告しています。
中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない者が、ファクタリングを装って、業として、貸付け(債権担保貸付け)を行っている事案が確認されています。
- ファクタリングとして勧誘を受けたが、契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」であることが定められていない
- ファクタリング業者から受け取る金銭(債権の買取代金)が、債権額に比べて著しく低額である
などのケースは、ファクタリングを装った貸付けの疑いがありますので、十分注意してください。
引用:金融庁 ファクタリングに関する注意喚起
違法ファクタリングを見分けるコツを解説します。
1.給与ファクタリング(個人給料ファクタリング)
個人の給料を対象にしたファクタリングを掲げる業者には注意が必要です。
通常のファクタリングは法人や事業者を対象とするものですが、個人の給料を担保にした取引は、違法なヤミ金業者が関与しているケースが多く見られます。
「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。
貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年率換算すると数百~千数百%になる手数料を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった私生活の平穏を害するような悪質な取立ての被害を受けたりする危険性があります。
引用:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
上記のように、金融庁でも注意喚起されているため、「給与ファクタリング」にはくれぐれも注意しましょう。
2.違法な高額金利(手数料)の請求
違法なファクタリング業者では、法外な金利が適用されるケースがあります。
例えば、通常のファクタリングは手数料として1%~10%程度が相場ですが、違法業者は実質的に年率100%を超えるような金利を要求する場合があります。
こうした業者を利用すると、結果として深刻な負担を背負うことになります。信頼できる情報源から業者を確認することが大切です。
3.契約書がない
違法なヤミ金業者は、契約書を交わさないまま取引を進めるケースがあります。これは、後々トラブルが発生した場合に証拠を残さないための手口です。正規のファクタリング会社は、すべての取引において詳細な契約書を交わし、契約内容を明確にします。
例えば、契約書なしで手数料や返済条件が不明瞭なまま取引を進めると、後日法外な金額を請求されることがあります。
このようなトラブルを避けるためには、必ず契約書の内容を確認し、書面での契約が行われることを確認することが大切です。
4.担保・保証人を求められる
違法な業者の中には、担保や保証人を求めるケースがあります。通常のファクタリング取引では、売掛債権を担保とするため、追加の担保や保証人を必要とすることはありません。
違法ファクタリングの判例
ファクタリングが貸金業法に該当しないと判断された判例は、取引が純粋な債権売買であり、償還請求権がない場合に成立しています。
償還請求権とは、ファクタリング取引で売掛金の支払いが得られなかった際、利用者がその損失をファクタリング業者に返済する義務を負うものです。一方、償還請求権がない場合、売掛金の回収リスクを業者が負うため、純粋な債権売買とされ、違法性の有無を判断する基準となります。
ファクタリング業者は償還請求権を有しておらず、売主としても債権の買戻しを予定していないことなどから、実質的にも債務者の不払いリスクがファクタリング業者に移転していると評価できること、対抗要件具備は猶予されているものの、ファクタリング業者の判断において具備が可能であったこと、債権額面と売買代金の差額(手数料)についても担保目的であることを推認させるような大幅なものということもできないことなどを総合考慮し、貸金業法は適用されないと判断された事案
引用:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
(東京地裁令和2年9月18日判決)
契約上、債務者の不払い等により回収することができなかった額につき売主が責任を負うものとはされておらず、実際に、債務者の無資力の危険についての負担がファクタリング業者に移転したものと認められること、また、債権額面と売買代金との差額(手数料)についても、実質的に担保目的のものであることを推認させるような多額のものではないことなどを総合考慮し、債権の確定的な売買であると判断された事案
引用:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
(東京高裁令和4年6月15日判決)
ファクタリングに関してよくある質問
ファクタリングに関してよくある質問を解説します。
まとめ
最後にまとめです。
ファクタリングの手数料は1%〜30%と幅広く、サービスの種類やリスクによって変動します。
改めておすすめファクタリング会社の手数料は下記です。気になる業者にまずは問い合わせをして無料見積取得することをおすすめします。
ファクタリングサービスは資金繰りを改善する「資金調達方法」として有効な手段です。しっかりと見極めるポイントを抑えながら優良サービスを利用するようにしましょう。
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