コンサルタントとは、企業の経営課題を特定し、課題解決策を提言し実現まで支援することで、企業の成長に貢献する仕事です。
そのため、コンサルティングは「経営戦略」「新規事業開発」「M&A」「人事/組織」「業務改革」「IT改革」など様々な分野での専門的知識や経験が求められます。
コンサルタントとは?
早速結論ですが、まずは知っておきたいコンサルタントの基礎知識は下記になります。
- コンサルタントとは、企業の経営課題解決のプロフェッショナルの仕事
- コンサルタントの仕事内容は戦略系・総合系・人事/組織系・業務改革系・IT系と多岐に渡る
- コンサルタントの年収・給料相場は500万~数千万円と業界高水準
- コンサルタントに必要なスキルは論理的思考力・仮説立案力・コミュニケーション能力
- コンサルタントへの転職難易度は高いが、人出不足で狙い目市場
本記事では、コンサルタントをこれから目指したい人、コンサルタントの活用を検討している企業向けに「コンサルタントとは何か?」を初心者でもわかりやすくご紹介していきます。
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執筆者
国内最大級の転職・フリーランスのキャリア情報メディア「フリーダッシュ(freedash)」を運営。Webメディア設計・開発、転職・フリーランス関連の商品プロモーション支援などを手掛ける。ITエンジニア、コンサルタント、Webデザイナー、などのメンバーで運営中。
コンサルタントとは
コンサルタントとはどういう意味なのか、仕事の背景を含め紹介します。
コンサルタントの意味
「コンサルタント(Consultant)」とは、企業の経営課題を特定し、課題解決策を提言し実現まで支援することで、企業の成長に貢献する仕事を意味します。
consul=相談する、の語源の通り、企業の経営パートナーとして様々な観点からアドバイスや助言を行います。
コンサルタントの起源
コンサルタントの仕事は19世紀アメリカで生まれました。科管理技法の発案者であり技術者(技師・エンジニア)である、フレデリック・テイラー氏(Frederick Winslow Taylor)が工場の作業工程や計画を改善し、いくつもの企業を蘇らせたとされています。
コンサル発祥国であるアメリカでは、有名コンサルティングファームであるMcKinsey & Company、The Boston Consulting Group、Deloitte Touche Tohmatsuなど、いずれもアメリカ合衆国を本社としています。
コンサルタントの仕事内容(ファーム種類別)
コンサルタントの仕事内容は「戦略系」「業務・IT系」「組織・人事系」「シンクタンク系」「FAS系」など多岐に渡ります。
戦略系コンサルティング
戦略系コンサルティングの仕事内容は、全社経営戦略・中期経営計画・Vision/Purpose・M&A戦略・海外戦略など、企業経営の上位戦略をメインに取り扱います。
そのため、深い経営に対する知見や経験、高度な専門性、論理的思考力が求められる最高難度のコンサルティングと言えます。
コンサルティング業界の中でも「戦略系コンサルティングファーム」に位置付けられ、就職/入社難易度が極めて高いことで知られています。特にMBBと呼ばれる下記の企業は世界三大戦略コンサル会社と言われています。
代表的なコンサル会社
業務・IT系コンサルティング
業務・IT系コンサルティングの仕事内容は、経営管理・会計・労務・法務・営業・マーケティング・設計/開発・調達・購買・物流など、企業経営における一連のバリューチェーンの流れの中で、業務やIT課題を解決します。
「総合系コンサルティングファーム」と呼ばれる企業が該当し、自動車・製造・メディア・消費財・化学・ヘルスケア・小売りなどの業界軸と、経営管理・営業・マーケティング・SCMなどの領域軸でマトリックスの形態で多種多様な専門家が在籍しています。
有名企業としては、世界四大会計事務所(BIG4)系列のコンサルティング会社やIT系コンサルティングファームのアクセンチュア、アビームコンサルティング、IBMがあります。
組織・人事系コンサルティング
組織・人事系コンサルティングの仕事内容は、企業の組織や人事に関連する、組織構造改革・人事戦略・人材育成・人事評価制度・タレントマネジメントなど経営の根幹となる“人”や“組織”に焦点をあてた経営課題の解決をします。
「組織/人事系コンサルティングファーム」と呼ばれる企業が該当し、多国籍の人材リソースや知見を活用した強みがあります。
代表的なコンサル会社
- マーサージャパン
- ウイリス・タワーズワトソン
- ヘイコンサルティング
シンクタンク系コンサルティング
シンクタンク系コンサルティングの仕事内容は、官公庁向けの調査/リサーチ、経済調査、マネジメントコンサルの課題解決を行っています。
シンクタンク系の特徴として、大手金融機関をグループまたは関連会社に持つファームが多くあります。
代表的なコンサル会社
FAS系コンサルティング
FAS系コンサルティングの仕事内容は、財務に特化した課題解決です。
M&Aアドバイザリーや、バリュエーション、DD(デューデリジェンス)、事業再生など企業の財務面での戦略や調査を行います。
FAS系コンサルティングの有名企業としては世界4大会計事務所(BIG4)があります。
フリーランスコンサルタントの仕事内容は?
最近注目されている働き方が「フリーランスコンサルタント」は、コンサルティングファーム(コンサル会社)と異なり、専門分野別に分かれています。
代表例としては下記の働き方があります。
コンサルタントの役職別の年収・給料水準
コンサルタントを目指す方、コンサルタントのキャリアに悩む方が最も気になる「年収相場」について解説します。
コンサルティングファームは「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー/シニアマネージャー」「パートナー」の職位別に報酬形態が異なるため、それぞれ見てみましょう。
※ここでは、ボリュームゾーンである総合系コンサルティングファームの年収相場をもとに解説します。
アナリストの年収相場
アナリストの年収相場は500~600万程度となります。
アナリストは新卒で入社したコンサルタントの下位ランクの職位です。
上位者の指示のもと、プロジェクトでの調査や資料作成を行います。まだコンサルワークに慣れていないため、一人で自走することが難しく他業界と比べると高水準ですが、コンサル業界の中では低い位置づけになります。
コンサルタントの年収相場
コンサルタントの年収相場は600万~900万円となります。
アナリストでの修行期間を経て、プロジェクトの一定領域を任せられるようになるチームリーダーの責任を持ちます。
そのため、論理的思考力・コミュニケーション能力・資料作成能力など一定のスキルを身に着ける必要があります。
転職やキャリア転換を考えるコンサルタントの層として、管理職になるか他業界に転身するか最も悩むのがコンサルタントの職位となります。
マネージャーの年収相場
マネージャーの年収相場は900万円~1,500万円となります。
マネージャーは厳密にいうと、マネージャー・シニアマネージャーなどと別れることも多く、会社の管理職に該当します。
そのため、プロジェクトのマネジメントの主責任を持ち、クライアントリレーションの構築やプロジェクトの拡大、会社のチームメンバーの育成など幅広い観点で仕事を行う必要があります。
コンサルティングファームでマネージャー以上の職位を経験される方は、他業界でも十分に活躍できる市場価値を手に入れることができます。
パートナーの年収相場
パートナーの年収相場は1,500万円~数億円と幅広くなっています。
パートナーとは、コンサルタントの最高職位であり各コンサルティングファームに複数人存在します。
パートナーは主にクライアントの課題を発掘し、営業や提案活動を行うことでファームに在籍する人員をアサインしプロジェクト推進の最終責任を持ちます。
専門性・経験・人脈すべてにおいて、コンサルティングファームを代表する責任者となります。
フリーランスコンサルタントの年収は?
最近注目されている働き方が「フリーランスコンサルタント」です。フリーランスコンサルタントの年収相場は会社員の給与の1.2~1.3倍程度になります。
コンサルタントに必要なスキル・資格
コンサルタントを目指す方へ、どのようなスキルが必要なのか解説します。
結論、下記のスキルを身に着けておくと活躍できるコンサルタントになることができます。
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
- 仮説立案力
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- ドキュメンテーション能力
- 英語力・語学力
論理的思考力(ロジカルシンキング)
論理的思考力とは、複雑化した情報を構造化し整理することで、誰でもわかりやすいようにシンプルにしていく能力です。
経営課題は多種多様な課題が顕在化しており、課題や問題の事象の因果関係を整理することは簡単にはできません。
そのため、クライアント(コンサルへの発注主)はコンサルタントを雇うことで、コンサルタント人材の地頭を期待し、スピード感のある課題解決を依頼します。
仮説立案力
仮説立案力は、今ある事実をもとに自身の経験や専門性を活用し今後起こりえる先を読む力です。
コンサルタントの仕事は膨大な情報を読み解きそれらをかみ砕き限られた時間で成果を求められます。
そのため、すべての問題と向き合っていると時間が足りなくなってしまうため、仮説を立て優先度高く取り組むべき課題解決を検討していきます。
また、中期経営計画や事業開発など将来的な計画を立てる際は、外的市況を先読みしどのようにビジネスとして勝っていくかのシナリオを描いていきます。
コミュニケーション能力
コンサルタントの仕事は一人ではなくチームで行うため、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
主に関与するステークホルダーは、「クライアント(プロジェクトの主体者)」「コンサルタント会社のチームメンバー」となり、ITプロジェクトになると「Sier・ベンダー」「開発会社」など多種多少なチーム構成になっていきます。
そのため、適材適所にコミュニケーションをとることがプロジェクトの推進においてとても重要なのです。
プレゼンテーション能力
コンサルタントは「professional」としての仕事であるため、CxOまたはマネジメント層への報告などを日々求められます。
そのため、効果的なプレゼンテーション能力や誰が効いてもわかりやすい説明責任を持つことになります。
ドキュメンテーション能力(PowerPoint・Excel)
コンサルタントが納品するサービスは「ドキュメント」になることがほとんどです。
よく「紙作り職人」「パワポ職人」などと揶揄されますが、コンサルタントは年間数千枚ものスライドを作成し、1枚1枚に複数のメンバーの調査結果や見解を含めわかりやすい構成に落とし込む必要があります。
コンサルタントが作成するパワポは1枚あたり数万円の価値があるといわれているほど、コンサルタントにとってドキュメント能力は重要な位置づけになります。
英語力・語学力
有名コンサルティングファームの多くは「外資系」です。
その名の通り、国をまたぎ世界各国にコンサルタントが在籍し、国内だけない海外の調査結果やプロジェクト事例を共有しあうことで、ベストプラクティスの課題解決策を導き出します。
そのため、メンバーファームに海外人員がいることは一般的であり、言語も英語を中心にやり取りすることが多くあります。
コンサルタントのやりがい
コンサルタントのやりがいとは?と気になる人も多いでしょう。
「コンサルは激務」「コンサルは役立たず」など一部の口コミで悪評を受けていることも事実ですが、ここでは、筆者がコンサルタントという仕事を通じて得たやりがいを紹介します。
コンサルタントのやりがいは一言でいうと「企業成長に直結した問題提起と実行に関与できること」です。
事業会社の場合、経営を司る部門は経営企画や事業部門の戦略室などになり、若手が大きな判断を求められることはありません。
一方でコンサルティングファームの場合、年齢は一切関係なく「一人のプロフェッショナル」として、クライアントと向き合い問題提起をします。
そのため、20代にしてCxOクラスの人へ問題提起をすることも多く、若いうちから企業成長に直結する意思決定者とビジネス討論ができる点は最大の魅力と感じています。
さらに、かつてコンサルタントは戦略のみ考えるという最終責任を持たないことで悪名高いこともありましたが、昨今では「伴走型コンサルタント」「実行重視」など、クライアントと考えた施策の実現を達成するまでコミットするデリバリーに注力するコンサルティングファームがほとんどになっています。
コンサルタント業界はクライアントの課題解決を基軸に成り立つ業界であるため、今後も業種業態は変わっていくと想定しますが、「課題と向きあい解決をする」という点では今後も変わらない職業と言えるでしょう。
コンサルタントはどんな人に向いている?
コンサルタントを目指す方へ、向いている人と向いていない人を見てみましょう。
コンサルタントに向いている人
コンサルタントに向いている人は下記となります。
- 向上心が高く常にチャレンジングな環境で仕事をしたい人
- 好奇心が高く知らないことでも貪欲に学び続けることができる人
- 事実から導き出す仮説立案が好きな人
- 若いうちから企業成長に関与していきたい人
- 一定激務の部分もあるためストレス耐性のある人
コンサルタントに向いていない人
一方でコンサルタントに向いていない人は下記となります。
- 変化が少なく安定した仕事をしたい人
- 組織や部門が整備され上位者の明確な指示で仕事をしたい人
- 与えられた業務の範囲で計画的な仕事を遂行する人が好きな人
- ワークライフバランスのある仕事をしたい人
コンサルタントの就職・転職動向と実態
コンサルタントを目指す方へ転職動向を紹介します。
コンサルタントへの就職・転職の難しさ
まずコンサルティングファームへの就職/転職は決して簡単ではありません。
特に採用において特殊なのが「ケース面接」と呼ばれるスタディがあります。
- 日本に消しゴムは何個ある?
- 東京ー大阪間の新幹線のコーヒー販売の売上を伸ばすためには?
- 〇〇会社の利益を伸ばすためにあなたは何を提案する?
など仮説立案力と論理的思考力を図るテストです。
そのため、外資金融・総合商社などと同じく就職難易度は極めて高い傾向にあります。
コンサルタントに転職する人の特徴
コンサルタントへの転職をする企業の例は下記です。
- 経営企画部門
- 事業戦略部門
- 新規事業開発部門
- マーケティング部門
いずれも調査を行い構想を描いていく事業会社のポジションですが、コンサルタントと一緒に仕事をすることも多いため、転職する人が多い傾向にあります。
また、コンサルティングファーム→コンサルティングファームも多く、3年くらいでファーム移動をすることも決して珍しいことではありません。
コンサルティングファームは規模やプロジェクト内容は違えど、やってること自体は同じなので、タイトルアップ(職位や年俸アップ)やネームバリューアップ(総合系→戦略系)などが例としてはあります。
コンサルティングファームだけでじゃない!フリーランスコンサルタントも多数活躍!
最後に、コンサルティングファームへの転職を考えている人、コンサルティングファームから転職を考えている人向けに、最近「フリーランスコンサルタント」という働き方を紹介します。
フリーランスコンサルタントとは、組織に属さず独立した個人としてコンサルティングワークを請け負う仕事です。
会社員の場合はどうしても社内政治やファーム特有のプロジェクトしか関与できないため、一定のコンサル経験を積むと更にキャリアアップをしたくなるもどかしさの壁にあたります。
そうした中で、フリーランス(組織に属さない自由な働き方)への転換によって、自分のスキルや専門性をより自由に発揮したいと志す人が増えてきました。
また、会社員よりも年収が1.2~1.3倍ほど増加することもあるため、最近では20代後半から独立する人も増えています。
リアルな体験談に関しては下記記事をご覧ください。
当サイトでは、フリーランスコンサルタントの働き方や仕事の取り方を紹介しているため気になる記事がありましたらご覧ください。
▼コンサル業界への転職を検討中の方
コンサル業界は業界特有の転職対策が必要なため、コンサル業界特化型のエージェント選びがとても重要になります。当サイトで最もおすすめしている転職エージェントを知りたい方は下記記事を参考してみてください。
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