個人事業主フリーランスになると「屋号をつける or つけない」に悩むものです。しかし、実態としては屋号をつけている人は少なく、「屋号って何?」「つける意味ある?」「つけるのめんどくさそう」「周りはつけてないしいいや」と懐疑的になり、結局屋号はつけません!となったりします。
しかし、それ「すごくもったいないです」
独立したてのフリーランスは顧客から「信頼を得る」よりも「怪しいと疑われない」方が先決であり、屋号をつける事で顧客から信頼され他社と大きな差をつける差別化要因になります。屋号あり・なしだけで他社から見る目は劇的に変わります。
本記事では、そんな個人事業主フリーランスを始めようとしている人、まだフリーランスだけど屋号をつけていない人に向けて、「あなたに屋号が必要な理由と決め方」をフリーランスの独立・開業のプロが解説していきます。
この記事は、フリーランスになるための独立準備の「屋号の名称決定」になります
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執筆者
国内最大級の転職・フリーランスのキャリア情報メディア「フリーダッシュ(freedash)」を運営。Webメディア設計・開発、転職・フリーランス関連の商品プロモーション支援などを手掛ける。ITエンジニア、コンサルタント、Webデザイナー、などのメンバーで運営中。
個人事業主フリーランスの屋号とは?
個人事業主としての名前・社名のようなもの
「屋号」とは、個人事業者の方が使用する商業上の名のことを言います。
つまり、「あなたの個人事業主としての名前」なんです。例えば、“フリーダッシュデザイン”、“フリーダッシュテクノロジー”など好きな名前を付けることができます。
似ている言葉に、「雅号(がごう)」というものがありますが、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことになります。
フリーランスエンジニア、デザイナー、クレイエイター、ライター、コンサルタントなどが名前を付ける場合は「屋号」となります。
屋号と商号は違う
よく混在する用語に「商号(しょうごう)」というものがあります。
商号とは、主に法人でつける名前であり、屋号・商号ともに商売や事業をするうえでの名前ですが、「法的効力があるか」という点が大きな違いです。
個人事業主が屋号をつけるべき理由(屋号ありのメリット)
屋号をつけた方が良い理由は大きく5つあります。
- 社会や取引先企業からの信頼度が増す
- 事業内容が名前で伝わりやすい
- 屋号付きの銀行口座が開設できる
- 屋号付きの印鑑(屋号印)を作れる
- インターネット、SNS上であなたを見つけやすい
社会や取引企業からの信用度が増す
1つ目は、「他者からの信頼が増す」です。
例えば、とある個人事業主フリーランスが新規取引先に初めて自己紹介をしている場面を想像してみましょう。
僕はフリーランスとして働いている「自由太郎」です
僕はフリーランスとして働いている「フリーダッシュデザイン事務所の自由太郎」です
どちらがビジネスパートナーとして信頼できるでしょうか?
間違いなく2つ目ですよね。つまり屋号がないよりも屋号がある方が断然信頼感が増すんです。個人事業主は法人と違ってビジネスとして何をやっているか証明しづらいことから、法人よりも社会的な信頼度は低いのが実情です。
例えば法人の場合は履歴事項全部証明書(法務局に登録されている会社の登記情報を証明する書類)といって会社名/所在地/設立年月日/事業内容/資本金/役員情報など細かい情報が書面として証明できるので取引上とても安心です。
一方で個人事業主の場合は身分証明書(運転免許証や保険証)や昨年の確定申告書などの最低限の情報からしか個人を信用できるかの判断ができません。
つまり、個人事業主の方は法人と比べると「そもそも信用が低い」状態になりますので、少しでも「信頼されるための工夫」をするという事で他の個人事業主との差別化をつけることができるんです。
事業内容が名前で伝わりやすい
2つ目は、屋号を通じて「事業内容が伝わりやすくなる」事です。
先ほどの例のように
僕はフリーランスとして働いている「フリーダッシュデザイン事務所の自由太郎」です
と言われたら、
- この人はおそらくデザイン関連の仕事をしているんだな
- デザイン関連の業務を主業としてやっているんだな
- デザインのことなら任せられそうだ
と自らが自分のやっているビジネス内容を伝えなくても、屋号名称を通じて相手に伝えることができます。
屋号付きの銀行口座が開設できる
3つ目は、「屋号付きの銀行口座が作れる」という事です。
例えば(株)AAAエージェントの業務委託を個人事業主が請け負ったとき、報酬の支払い先銀行口座は下記のように見えます。
- 【屋号なし】
自由銀行 支店名〇〇 口座番号〇〇〇〇 自由太郎
- 【屋号あり】
自由銀行 支店名〇〇 口座番号〇〇〇〇 フリーダッシュデザイン事務所 自由太郎
と屋号を含む口座名義にすることができます。
初めて取引をする企業や顧客は、一番最初に「振込むお金が騙されていないか?」と懐疑的になるため、少しでも安心してもらえる材料になります。
また屋号付きの口座を作るメリットは「プライベートのお金」と「事業用のお金」を区別することにもあります。個人事業主の人は事業用と個人用を同じ口座でやっている人がいますが、「絶対口座は分けた方がいい」です。会計上の管理や、ビジネスの採算性を正確にとらえ高収入フリーランスになるためには必須です。
屋号付きの印鑑(屋号印)を作れる
4つ目の理由は、屋号付きの印鑑が作れる、という事です。
個人事業主フリーランスとして働く場合、最低限作っておくべき印鑑は「個人の実印」「事業用口座用の銀行印」となります。そのため、「屋号印」はあったらいいな、というレベルではあります。
しかし、屋号印を使う事で、第三社から見ると「細部まで気にしているんだな」「オペレーションが整備されてそうで信頼できる」という心証をよくさせることに繋がります。
インターネット、SNS上であなたを調べることができる
5つ目は、第三者が個人事業主として働くあなたを探す際に、「屋号があると調べることができる」という事です。
本名の場合、インターネット上で検索しても個人情報をTwitter、FacebookやHPなどで確認できますが、セキュリティの観点から実名を隠している人は多いです。
一方で、屋号をつけてしまえば、個人情報漏洩を気にすることなく、自分の固有名詞として大々的に公開することが可能です。
屋号なしでも大丈夫なの?
屋号はつけなくても大丈夫(義務ではなく任意)
結論、つけなくても問題ないです。
屋号をつける事に法的な義務はなく、つけなくてもビジネス上に大きな問題はありません。(屋号がないから取引できない、という事は全くないです)
しかし、前述の通り、屋号をつけた方が様々なメリットが生まれるため、つけないよりつけた方が良いい。つけた方がつけていない人より信頼できる、という事に影響します。
屋号はいつでも変更可能
屋号をつける際に躊躇する理由に、「一回付けたら変えられないのか?」と感じる人も多いでしょう。
しかし、安心してください。
屋号は厳密な法規制がないため、屋号名称の変更いつでも好きな時にできます。また、変更の回数も制限はありません(何回も変えるのはおすすめではないですが)
屋号名称は2つ以上の複数でも可能
個人事業主の方には複数の事業を行っている人も多いです。
例えば、「プログラマー(業務委託)」「ブログ運営(アフィリエイト)」「プログラミング教師の講師」など同一人物が複数の事業を行っている場合、事業の管理上分けることがとても重要です。
その際に、事業の種別ごとに屋号をつけることで、
- 〇〇テック(プログラミングの業務委託事業)
- 〇〇ブログ(ブログ運営、アフィリエイト事業)
- 〇〇コミュニケーション(イベントの運営、講師事業)
など屋号名は複数の名前を付けることができます。
個人事業主フリーランスの屋号の決め方・提出方法
さて、「屋号をつけてみたくなってきた」と思って人もいると思うので、いつどのように屋号をつけるか?を解説します。
開業届け書類の屋号欄に記載
個人事業主であれば必ず税務署に「開業届」を出します。
その際に、「屋号」という欄がありますので提出時に書けば完了です(超簡単です)
開業届けは会計ソフトで提出がおすすめ
個人事業主フリーランスの開業届けの出し方は大きく4種類あります。
開業届はまだだよ、という人は開業届け提出時までに屋号を決めておきましょう。
また開業届けの出し方は、断然クラウド会計ソフトで開業届けを提出する(マネーフォワード クラウド開業届 や開業freee )が早い・無料・正確なのでおすすめです!
屋号登録していない場合は確定申告時につける
既に開業届も出していて現在個人事業主として働き中です、という方。
確定申告の時に屋号を記載することができます。確定申告の際に「屋号」を入れる欄があるのでその際に入力しましょう。
確定申告の基礎知識ややり方を知らない人は、下記記事で整理しているので見てみてください。
個人事業主フリーランスの屋号のネーミング例
屋号を実際につける時に、ネーミングの例を一部紹介します。
是非、自分なりにこだわってつけてみましょう。
フリーランスエンジニアの名称例
- 〇〇ソリューション
- 〇〇システム
- 〇〇テック
- 〇〇ラボ
- 〇〇エンジニア
- 〇〇制作
- 〇〇.com
- 〇〇サポート
フリーランスデザイナー・クリエイターの名称例
- 〇〇デザイン
- 〇〇デザイン事務所
- 〇〇ワーク
- 〇〇ラボ
- 〇〇スタジオ
- 〇〇クリエイティブ
- ○○カメラ
フリーランスコンサルタント・専門職の名称例
- 〇〇事務所
- 〇〇ラボ
- 〇〇研究所
- 〇〇スタジオ
- 〇〇オフィス
- 〇〇経営
- 〇〇コンサルティング
店舗関連の屋号(例)
- 〇〇屋
- 〇〇商店
- 〇〇不動産
- 〇〇書店
- 〇〇工房
- 〇〇家
- 〇〇堂
- 〇〇フィットネス
- 〇〇フラワー
個人事業主の屋号に関するよくある質問と注意点
屋号は英語表記でも大丈夫なのでしょうか?
屋号は英語表記でも大丈夫なのでしょうか?
屋号は英語表記でも問題ないです。
ひらがな、カタカナ、英語など自分の好きなように考えましょう。
屋号の名前を占いたいのですがおすすめのやり方はありますか?
屋号の名前を占いたいのですがおすすめのやり方はありますか?
屋号をつける際に「縁起のいい画数」を気にされる方もいます。
実際に自分が目指している企業や業界の商標などの画数を見てみて、見るのもいいかもしれません。また、人によっては占い師に見てもらう方もいるため気になる人は占っておきましょう。
個人事業主向け:屋号がつけられるおすすめ銀行口座
屋号がつけられる個人事業主向けのおすすめ銀行を紹介します。
個人事業主向けの銀行口座には、
- 大手メガバンク(三菱UFJ,三井住友、みずほ)
- 地方銀行
- インターネットバンキング
がありますが、審査の容易さと運用費の安さの面で圧倒的に「ネットバンキング」での開設をおすすめします。
屋号付き銀行口座のおすすめネットバンキング
PayPay(paypay)銀行
PayPay銀行は、三井住友銀行とZフィナンシャルのグループ会社が運営する銀行で屋号付き口座の開設が可能です。(2021年4月5日にジャパンネット銀行からPayPay銀行に変更)
口座維持手数料0円、ATM手数料毎月1回無料、振込手数料が安い、などの利点があり個人事業主に人気です。
楽天銀行
楽天銀行が運営する個人ビジネス口座、で屋号付き口座が作れます。
PayPayと大きな差はありませんが、楽天経済圏ユーザーの場合は、楽天ポイントが貯まるためおすすめです。
GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行が運営する、個人事業主用口座でも屋号付き口座の開設が可能です。
振込手数料が安く、口座を複数開設し利用目的ごとにお金管理ができる点が利点です。
屋号付き口座開設に必要な書類
銀行口座開設の際に、必要な書類は下記になります。事前に用意しておくとスムーズに開設が可能です。
- 本人確認書類(運転免許証/マイナンバーカード)
- 開業届(個人事業主としての証明)
- 印鑑
- 銀行印(必要に応じ)
- 屋号確認資料(下記に“屋号”が書かれているもの)
- 確定申告書
- 開業届
- 納税証明書(所得税など)
- 社会保険料の領収書
- 賃貸契約書
- 公共料金の支払い書、など
個人事業主の屋号は他との差別化をはかれる
フリーランスに独立すると、まず衝撃を受けるのが「あなたは第三者からまず疑われる」ことです。
そのため、自分をよく見せるための工夫や、疑われないための安心材料に配慮しなくてはいけません。
そして、あなたの「個」のブランドを、第三者に的確に訴求し、周りからどのようなイメージを持ってほしいか考えていくことをブランディング戦略と言います。
屋号とはそのブランディング戦略の一つとして有効な手段になるんです。
- 自分が伝えたい事
- 自分のストーリー
- 自分の強み
- 自分の専門性
- 自分の提供価値
など、屋号の名前一つとっても、その名前に込めた自分ブランドの確立は、いつか大きなベネフィットを生み出します。
屋号をつけていない人が多い中で、屋号に配慮しブランディングできる人は他社と大きな差別化を生み、そしてお金を生み出します。
【まとめ】個人事業主は屋号をつけるだけでビジネスが加速する
最後にまとめです。
個人事業主の屋号をつけるかつけないかは、任意のため最終的にフリーランス自身が決めます。
駆け出しフリーランスは特に「信頼を得る」よりも「信頼を失わない・怪しいと疑われない」事が大事であるため、その一つの打ち手として屋号をつけることは高い効果を発揮してくれます。
是非、あなたのフリーランスのビジネスを加速化するために屋号をつけてみましょう!
フリーランスになりたい人は独立準備をしよう
現在会社員でフリーランスになる準備をしている人は、下記の「フリーランスになるための独立準備リスト」で効率的・効果的に準備をしていきましょう。
フリーランスになるための独立準備リスト | |
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\ まずは全体像を把握しよう / | |
フリーランスを知る | フリーランスの意味・種類(個人事業主・副業・複業・法人) |
フリーランスと会社員の違い | |
国内フリーランスの人口規模 | |
仕事を知る | フリーランスの仕事(全職種28選) |
稼げるフリーランスエンジニアの極意 | |
稼げるフリーランスコンサルタント極意 | |
会社を退職する | 退職前の手続きと必要書類 |
退職後の手続きと必要書類 | |
開業届を出す | 開業届・青色申告承認申請の提出 |
個人事業主・法人の決定 | |
屋号の決定 | |
税金・確定申告を知る | 税金の理解 |
確定申告の理解 | |
青色申告と白色申告の違い | |
源泉徴収の理解 | |
会計ソフトの選定・導入 | |
マイクロ法人の理解(節税対策) | |
フリーランスのお金の管理術の習得 | |
保険・年金を知る | 国民健康保険の切り替え・加入 |
国民年金保険の切り替え・加入 | |
失業保険の申請 | |
フリーランス協会の理解 | |
社会保険削減サービス(社保サポ・みん社保) | |
案件を獲得する | フリーランスエージェントの仕組みを知る |
おすすめフリーランスエージェントを探す・登録する | |
職場環境を整える | 事業所登録、バーチャルオフィス |
IT機器・メール・ファイル管理 | |
印鑑作成 | |
見積書・請求書・契約書・納品書のひな型作成 | |
事業用銀行口座・クレジットカード作成 | |
営業関連(名刺、SNS、ポートフォリオ、Webサイト) |
フリーランスエンジニアになりたい人向け
フリーランスエンジニアを目指す人は、会社員時代から学べるスキルや言語、経験など逆算して準備することが重要です。特にエンジニア市場は競合性が高いため、戦略的な独立準備で競争優位性を確立していきましょう。
→稼げるフリーランスエンジニアになるための始め方・稼ぎ方(完全解説記事)
フリーランスコンサルタントになりたい人向け
元経営コンサル、Sler出身者などが多く活躍するフリーランスコンサルタントを目指す人は、フリーコンサルの実態を知っておきましょう。多岐に渡る専門分野があるためそれぞれのリスクと対応策を知っておきましょう
→稼げるフリーランスコンサルタントになるための始め方・稼ぎ方(完全解説記事)
フリーランスの確定申告・税金・保険の知識も身につけておこう
フリーランスの確定申告や税金の知識も学んでおきましょう。
税金と一緒に保険(健康保険・年金保険)も知っておくことをおすすめします。
まずは登録するのがおすすめなフリーランスエージェント
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