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「会社員から会社員」の一般的な転職に対し、「会社員からフリーランス」の独立時の手続きは大きく異なります。更に、フリーランスは独立した個人の働き方であるため、独立時の手続きは会社側で面倒を見てもらえません。
そのため、フリーランスになる際の退職時の手続きは漏れがちであり「あれ?手続き忘れてた」「退職前に書類受け取るの忘れてた」「本業やらなきゃいけないのに雑務が残っている」などの、フリーランスのスタートが出遅れてしまう人も多いのが実情です。
本記事では、これから会社を退職しフリーランスを目指す人へ、23個のチェックリストをもとに退職前・退職後にすべき手続きを、フリーランスの独立・開業のプロが徹底解説していきます。
執筆者
外資戦略コンサル(管理職)で働き、フリーランスとして独立。個人事業主と会社経営の2つの顔で生計を立てる。現在は、エージェント事業、経営戦略コンサル事業、フリーランス向け(コンサル、エンジニア、デザイナーなど)の独立/開業相談、ブログ運営を行う。
早速ですが、会社の「退職前」と「退職後」で、会社員からフリーランスになる人が準備しなければいけない手続きと必要書類を一覧形式で見てみましょう。
退職前 | |||
独立プラン | 1 | 独立日の決定 | □ |
2 | 事業計画の策定 | □ | |
退職手続き | 3 | 退職申告・退職届け提出 | □ |
4 | 会社の支給備品返却 | □ | |
5 | 退職時の必要書類の受取り | □ | |
金融関連 | 6 | ローン申請 | □ |
7 | クレジットカードの申請・作成 | □ | |
退職後 | |||
開業 | 8 | 個人事業主・法人の決定 | □ |
9 | 屋号の決定 | □ | |
10 | 開業届の作成・提出 | □ | |
11 | 青色申告承認申請書の作成・提出 | □ | |
税金 | 12 | 確定申告の基礎理解 | □ |
13 | 税金の基礎理解(所得税・住民税・事業税・消費税) | □ | |
保険・年金 | 14 | 国民健康保険の切り替え・加入 | □ |
15 | 国民年金の切り替え・加入 | □ | |
16 | 失業保険の申請 | □ | |
仕事環境整備 | 17 | 職場環境の整備 | □ |
18 | 事業用の印鑑・名刺の作成 | □ | |
19 | 見積書・請求書のひな型作成 | □ | |
金融関連 | 20 | 会計ソフトの選定 | □ |
21 | 事業用口座の開設 | □ | |
案件獲得 | 22 | フリーランスエージェントへの登録 | □ |
23 | Webサイト、SNS、ブログなどの開設 | □ |
(結構ありますよね笑)
実はフリーランスになるためには結構沢山やることがあります。
そのため、「漏れなく効率的かつ効果的に」チェックリストをつけながらタスク消化していくことが重要です。
本記事では各準備事項の頭出しを解説しますのでまずは全体像と一連の流れをつかみ、細かな対応内容やコツは詳細記事をご覧ください。
退職の手続きを確認する前に、「なぜフリーランスは退職手続きをちゃんとやらなければいけないのか?」を解説しておきます。
実は、フリーランスに独立する人は、会社退職時に会社とトラブルを起こして辞めてしまう人も結構います。下記がよくあるトラブルの例です。
もしもこのようなトラブルがあったらどちらの立場にたってもすごく嫌ですよね。
「そんなの関係ない!自分の好きなように脱サラします!」そんな人もいるかもしれませんが、フリーランスとして独立する皆さん!絶対!!! 円満退職してください!
なぜならフリーランスになる際、下記のような可能性があるからです。
皆さんが会社で培った人間関係は是非フリーランスとしての活躍につなげることをおすすめします。
フリーランスになると大変なことも多く、相談できる相手も少なくなりがちです。そうした時に、会社で勤めていた実績や構築した人間関係は、フリーランスとして働く上でとても貴重な財産だと思っておきましょう。
まずは、フリーランスになるための退職手続きチェックリストを見ながら、どの時期に退職するのがベストか?を逆算しながら考えましょう。
無茶なスケジュールで独立しても後々収入に悪い影響を与えるため、「計画的に」設定しておきましょう。
独立日を決めたら、フリーランスとして働く初年度の収支計画を立てましょう。
フリーランスは会社員と違って「売上」「経費」「利益」によりあなたの収入が決まってきます。独立前に、どれくらいの収入が得られるか?を予想しておきましょう。
下記に参考として最低限の事業計画を立てる要素を出しているので考えてみましょう
退職申告とは、「退職することを申し出る意思表明」の事です。
「退職届」と書かれた封筒に手紙を添えて提出、みたいなイメージが強いですが、最近はリモートワークなどもあり「まずは口頭で伝える」というのが多いです。
退職に際し法的には申し出から2週間ほどで退職が認められます。お勤めの会社に入社した際に「就業規則」や「退職時の規定」などに退職申告の申出期限が記載されていると思うので確認してみましょう。(実情は約1~2ヵ月くらい前には退職の申出を行い退職に至るケースが多いです)
退職する時は、これまで会社から借りていたものや会社員である証明物などは退職者→会社にすべて返却します。
退職する時に会社→退職者に退職書類が渡されます。フリーランスの人は退職する際の受取り書類は「超重要」なので、漏れがないようにしっかりチェックしておきましょう!一覧形式にするので是非チェックしてください!
必要書類 | 書類内容 | 対象 |
---|---|---|
離職票 | 所属していた会社を離職したことを証明する書類。失業給付などを受ける際に必要になります。退職後10日前後で郵送される場合が多いです。 | 希望者 |
雇用保険被保険者証 | 雇用保険の被保険者であることを証明する書類。原則会社側で保管されているため退職時に返却される。 | 必須 |
年金手帳 | 公的年金制度の加入を証明する書類。会社側で保管している場合は返却されます。個人事業主フリーランスの人場合は、国民健康保険への切り替え時、ひとり社長(法人代表)の人は厚生年金保険の加入手続きをする時に使います。 | 必須 |
源泉徴収票 | 在籍中の源泉徴収票。フリーランスの人は確定申告時に使います。また金融機関の審査の際に、その年の給与を証明するために使う場合もあるので絶対取得しましょう。退職後に郵送で送られてくる場合が多いです。 | 必須 |
健康保険被保険者資格喪失証明書 | 健康保険任意継続の希望の確認や、国民年金を切り替える際に必要な書類。 | 希望者 |
任意継続被保険者資格取得申請書 | 希望者は継続して2年間を退職した会社の健康保険に加入することができる制度です。一般的には退職時に申請書類を受け取り、退職後20日以内に手続きが必要となります。 | 希望者 |
退職証明書、在籍期間証明書 | 希望者に対し在籍していた会社に所属していた実績や期間を証明する書面。フリーランスになった後は、会社員であった在籍証明ができなくなるので、取得しておきましょう。たまに金融機関の審査などの補足情報としても使えます | 希望者 |
退職金関連書類 | 退職金が発生する場合の退職金の内訳に関する書類。発行可否は会社によるが、確定申告の際に必要となる場合があるので退職金を受け取った方は入手しましょう | 希望者 |
上記の書類を退職後の保険や年金の切り替え時に使うため、必ず受領し保管しておきましょう。
フリーランスになる、会社員時代と比べると社会的信用を一気に失います。
そのため、会社在籍時にローンやクレジットカード(プライベート用)を作成しておきましょう。
マイホームや自動車などのローンを組みたい人は会社員時代に組むことをおすすめします。
実際に独立した後に、「ローンが組めない」「マイホームが買えなかった、、、」という人が多いのは事実です。
プラベート用のクレジットカードの審査も会社員時代より厳しくなります。
事業用のクレジットカードは退職後で作るのですが、プライベート用のクレジットカードで利用したいものがある場合は、会社員時代に審査申込をして作成しておきましょう。
晴れて会社を退職した後にフリーランスとして働く上で必要な準備事項を確認していきましょう。
まずは、税法上、あなたがフリーランスとして働く手続きをするための準備をしていきましょう。
よくある失敗事例としてすぐ開業届を出してしまう人がいますが、効果的な独立を実現するために丁寧な手順で解説していきます。(開業届を急いで出しても後で未処理タスクが出てきてしまいますよ)
フリーランスとして働く上で「個人事業主」と「法人」のどちらの形態で事業を開始するかを決めなければいけません。
一般的には個人事業主としてスタートする人がほとんどですが、人によっては会社設立をした方が税金が優遇されるケースもあるため【→個人事業主と法人の違い】の下記記事で確認しておきましょう。
開業届を出す際に「あなたの個人事業主としての名前=屋号」を記載・登録できます。
屋号は必須登録ではないですが、屋号をつける事で多大なる恩恵を受けることができるため【→個人事業主の屋号の決め方】で事業者の名前を決めておきましょう。(屋号をつけない方が損です)
個人事業主フリーランスとして事業を開始する人は、税務署に「開業届」を出しましょう。
開業届はあなたがフリーランスとして働くことを税務署に報告する「義務」のため必ず提出しましょう。出し方・書き方にもコツがあるため【→個人事業主フリーランスの開業届の出し方・書き方】をご覧ください。
開業届と同時に青色申告特別控除(65万円)の特典を受けるために、「青色申告承認申請書」も一緒に出しましょう。
確定申告時に青色申告 or 白色申告の選択を求められるのですが、青色申告の方が圧倒的にお得です。また、開業時に出しておかないと忘れてしまいがちな事や当年度の青色申告対象者になれない場合もあるので注意しましょう。
個人事業主フリーランスの開業届と密接に関わるのが「確定申告」です。
フリーランス1年目の人向けに図解多めで【→フリーランスの確定申告の基礎知識】を解説しているのでご覧ください。
フリーランスは会社員と違い、税金を自分で管理し納税します。
そのため、税金のことを全く知らない、知っているようで実はよくわかっていない、という人は下記記事の【→フリーランスの税金の基礎知識】をご覧ください。税金を知らないと後で痛い目を見るため必ずチェックしておきましょう。
会社員から個人事業主フリーランスになると、健康保険から国民健康保険に切り替えが必要になります。
一方で、国民健康保険料は非常に高いため、いくつかの「抜け道」を見つけることが収入アップのポイントです。気になる方は、下記記事で【→フリーランスの健康保険の基礎知識】を解説しているのでご覧ください。
健康保険と同じく、会社員からフリーランスになると、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。
フリーランスに案る際に注意すべきは「会社員よりも老後資金が月額6~9万円ほど少なくなる」ため、計画的な積立の知識が必要です。下記記事で、【→フリーランスの年金の基礎知識】を解説しているためご覧ください。
フリーランスとして働くために仕事環境を整備しましょう。
また、同時に事業で必要な支出であれば経費計上できるため、合計の開業費も計算しておきましょう
フリーランスとして働く上で、様々な事務手続きが発生します。
その際に、事業用の印鑑があると対外的な信用を得やすくなるため準備しておくといいです。
また、フリーランスは人脈がとても大事です。そのため、自分の名前(屋号など)や事業内容をを紹介できるように名刺を準備しておきましょう
フリーランスは様々な書面で契約を交わします。大きく4種類あるため覚えておきましょう。
書類名 | 目的・記載内容 |
---|---|
見積書 | 取引先に対し、自分の商品やサービスの掲示価格を明記する書類。見積書を確認したうえで金額や内容に齟齬がなければ発注に至る |
注文書・契約書 | 相手方が見積書に対し発注をする書類。業者によって注文書や契約書など表現が分かれる。具体的な支払い方法、支払いサイトなどが記載されている |
納品書 | 相手方に対し、業務貢献をしたことを証明する書類。フリーランスの場合は業務委託(成果報酬)が多いため、注文書に対しての納品物を記載する |
請求書 | 納品を両者が完了したうえで、契約書や注文書に記載されている報酬金額をいつまでにどの口座に振り込んで欲しいかを明記する書類 |
上記の書類作成が多発する人は、これらのひな型を作っておくと便利です。会計ソフトを使ってしまえば、デフォルトで雛形がありクラウド上で簡単に管理できるので便利です。(私も会計ソフトで全部一括作成・管理しています)
フリーランスは売上、経費、利益などのお金の管理を全て自分で行います。更には、確定申告書類などの大変な雑務が入ってきます。
そこで、クラウド型の会計ソフトを使うと簿記知識がない初心者でも簡単に会計業務ができるため自分に合う会計ソフトを選定しておきましょう。
フリーランスとして得た収入は事業用口座(プライベートとは別の口座)で管理する事が重要です。
事業用口座を開設すると、事業としての入出金が管理しやすくなり会計ソフトとの連携も漏れなくダブりなくできます。おすすめは、個人事業主用のインターネットバンキングです。
フリーランスエージェントはフリーランスとして働く上で「ビジネスパートナー」のような存在です。
一方で国内には数百社のエージェントが存在し、それぞれの案件内容、単価、求人数、仲介マージン、対応エリア、対応スタッフなどが異なるため、しっかりと吟味することが重要です。
必須事項ではないですが、今後案件獲得率を高めるために、自分の事業や専門性を発信する媒体を育てておくことも大事です。
最後にまとめです。
23個もの準備事項を見ていきながら、頭を抱えている人も多いですよね(笑)
しかし、安心してください。
独立時の時間がある時だからこそ今やっておくと後々大きなベネフィットをもたらします。フリーランスになってからは本業に集中ししなくてはいけないため、正直、これらの雑多な事務処理をする時間はありません。
だからこそ、しっかりと今の時間を有効活用し徹底した準備をすることで最終的な近道になります。
改めて独立前と独立後のフリーランスになるための準備事項をおさらいしましょう。
下記表のリンクがついているところはクリックすると詳細ページに飛びます。
退職前 | ||
独立プラン | 独立プランの決定 | □ |
事業計画の策定 | □ | |
退職手続き | 退職申告・退職届け提出 | □ |
会社の支給備品返却 | □ | |
退職時の必要書類の受取り | □ | |
金融関連 | ローン申請 | □ |
クレジットカードの申請・作成 | □ | |
退職後 | ||
開業 | 個人事業主・法人の決定 | □ |
屋号の決定 | □ | |
開業届の作成・提出 | □ | |
青色申告承認申請書の作成・提出 | □ | |
税金 | 確定申告の基礎理解 | □ |
税金の基礎理解(所得税・住民税・事業税・消費税) | □ | |
保険・年金 | 国民健康保険の切り替え・加入 | □ |
国民年金の切り替え・加入 | □ | |
失業保険の申請 | □ | |
仕事環境整備 | 職場環境の整備 | □ |
事業用の印鑑・名刺の作成 | □ | |
見積書・請求書のひな型作成 | □ | |
金融関連 | 会計ソフトの選定 | □ |
事業用口座の開設 | □ | |
案件獲得 | フリーランスエージェントへの登録 | □ |
Webサイト、SNS、ブログなどの開設 | □ |
フリーランスエンジニアを目指す人は、会社員時代から学べるスキルや言語、経験など逆算して準備することが重要です。特にエンジニア市場は競合性が高いため、戦略的な独立準備で競争優位性を確立していきましょう。
→稼げるフリーランスエンジニアになるための始め方・稼ぎ方(完全解説記事)
元経営コンサル、Sler出身者などが多く活躍するフリーランスコンサルタントを目指す人は、フリーコンサルの実態を知っておきましょう。多岐に渡る専門分野があるためそれぞれのリスクと対応策を知っておきましょう
→稼げるフリーランスコンサルタントになるための始め方・稼ぎ方(完全解説記事)
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